カレンダー
タイムリミットは3週間!本当に開催できるのか?!
恥と汗と涙の展覧会実録。 ********************* このサイトは2005年3月18日 から4月17日まで札幌市中央区のラ・ガレリアビル3階、アートスペースで開催された 『LIFE×LIVE〜伊藤千織の家具とデザイン』展の開催全記録集です。 ********************** <お問い合わせ> 伊藤千織デザイン事務所 chiori66◎mac.com (ご連絡の際は◎を@に直してメールしてください。) お気に入りブログ
カテゴリ
●スケジュール ●新着情報 ●ゲストブック ●セキララ日録 ●デザイン・サイドストーリー ●つぶやきの間 ○企画会議室(ブレスト部屋) ○純喫茶いこひ(談話室) ○ギャラリー裏窓 ★Special Thanks to 以前の記事
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2005年 03月 21日
このカテゴリでは<LIFE×LIVE展>で展示している家具についてピックアップして解説いたします。会場ではなかなか丁寧にお話できないので、作品にまつわる裏話・誕生秘話などこの場をお借りして少しずつ更新していきます。(「秘話」ってほどの秘密もないですけどね−)
第1回目は、私のデビュー作『そらまめスツール』。 東京・青山にあるショップ・BC工房から発売されています。当時は渋谷に近い青葉台にありました。 これは私が留学していたデンマークから帰国して、初めて商品になった椅子。 BC工房は知る人ぞ知る家具プロデューサー・鈴木恵三さんのお店。鈴木さんは帰国して家具業界の右も左もわからない私がとてもお世話になった恩人でもあります。 その鈴木さんと、初めての家具づくりが始まりました。 当時、私の母が長期の療養から退院したばかり。世の「おかあさん」にとって、台所は不可侵の聖地。病み上がりでも、やはり台所には立ちたいものなのです。 そこで立ち作業の合間にちょこっと休んだり、腰掛けながら作業ができるキッチンスツールがあったらいいんじゃないかと思ってデザインしました。 あとビールを飲みながら、だらだらシチューを煮込む日曜の午後…みたいな怠惰なシーンとかイメージしつつ…。 ある時信号待ちでふと見上げた食品店のマークが「豆」。ぼんやり「あの形、座ったらお尻にフィットしそう…」とひらめき、まず名前の「そらまめ」が浮かびました。 でもそれまで学んできたモダンデザイン的な教育の上では「具象は禁じ手」。どうしようかなぁ…とは思いましたが、とりあえずやっちゃえ、ということで。 さっそくそら豆を買って来て形にしてみたのですが、実際のそら豆は想像よりかなりオーガニックというか官能的なかたちをしているものなのです。その辺は適当にデフォルメしつつ、コンセプトとスケッチを描いて鈴木さんにFAXしました。 「台所→食べ物→まめ→キッチンスツール」ってでき過ぎなシンクロ感もあり、即採用。 当時、実家の元ガレージを改造した穴蔵のような仕事場、通称・アジトで、スタイロフォームを削って原寸模型を作りBCに送った記憶があります。(あの頃は真面目にやってたのねぇ…感慨) 当初はアッシュ(タモ材)を使った北欧っぽいイメージだったのですが却下され(笑)、BCのインドネシア工房でチーク材で試作され商品になりました。チークは使う程にほどにつるつるピカピカになるいい材なので、結果としてはよかったのですけど。 ちなみに実はいまだに一つ悔やんでいる点がありまして、それは足置きステップの後ろ側の断面。ここもくるんと丸いアールにしたかったのですが、スパッと切った直線のまま商品になってしまいました…。商品として動き出したらあんまり変えられない…という学習にもなりましたけどね。 以後、廃番にもならず、おかげさまで今でも細々と(?)生産されています。 私の初期の代表作…ってことになってるのかな?でもこれが私の代表作なんじゃなくて、もっと超えるものを作りたい、と思う自分の中のライバルでもあります。 いずれにしても思い出深い、愛着のあるスツールであることには間違いありません。 (ちなみに小さい方はその後デザインしたもの。天袋の物を取ったり電球を取り替えたりするのに重宝してます!)
by chiori-design
| 2005-03-21 02:36
| ●デザイン・サイドストーリー
|
ファン申請 |
||